伊能忠敬記念館  展示内容


 玄関から入ると、近代的なエントランスホールに迎えられます。受付窓口を過ぎ中庭の見える廊下をたどって展示室に入ると、いよいよ伊能忠敬の世界です。

 一番初めに 忠敬の肖像画 が目に飛び込んできます。
そして、伊能全図と人工衛星から見た日本列島の姿が交互に写し出され、伊能図の正確さ に驚かされます。


〈佐原時代〉
 古くから「お江戸見たけりゃ佐原へござれ、佐原本町江戸まさり」とうたわれた、わが郷土 佐原の様子 と、そこで活躍した若き忠敬の姿を紹介します。

 佐原の経済的・文化的土壌と伊能家の伝統のもとで、忠敬は将来に向けて才能の芽を育てていきます。
また、商人として家業に励み、名主として村政に尽くす姿も表します。

忠敬の活躍とともに、彼をはぐくんだ佐原に対する愛着と誇りを持っていただけるコーナーです。

 


  〈全国測量へ〉
 50歳で隠居した忠敬は、念願の天文暦学の勉強を始めます。
江戸に出た忠敬は、幕府天文方の 高橋至時 と出会います。

当時最新の学間を探究していた至時とのめぐり会いは、その後の忠敬の業績に大きな影響を与えました。
至時の勧めで蝦夷地(北海道)などの測量を行い、正確な地図を作製するきっかけとなったからです。

この実績により幕府の役人に取り立てられ、17年間という長い歳月と労苦の末、全国測量を成し遂げました。この忠敬の努力の姿を紹介します。

   
量程車(りょうていしゃ)
車輪を回転させ、回転数で距離を測る道具 
実際は誤差が多く実用的ではなかった。
高橋至時の設計といわれている。

 

くさり
距離を測るために用いた。
1本が1尺で、60本つないで10間とした。
佐原小学校の銅像もこのくさりを持っている。

 

   
観星鏡(かんせいきょう)手前
象限儀(しょうげんき)奥
観星鏡は江戸時代の望遠鏡。長さ234cm
象限儀は、恒星の高度を測るための器具。 
大・中・小の3種類ある。上の写真は中型。
測食定分儀(そくしょくていぶんぎ)
日食や月食などの観測の時に、
食の進行状況を測定する器具。
 
 


〈伊能図の完成〉
 忠敬が苦労の末に完成させた地図には、二つの特徴があります。

一つは、日本全国を丹念に実測した結果に基づき作製したため、地図が大変正確であること。
もう一つは、絵画としての美しさにあります。現在の地図とは異なり、美術品としても十分な価値を持っています。
この二つの特徴を余すことなく、鑑賞できるようにしました。


〈地図の世界〉
 このコーナーでは、地図の有するさまざまな内容を紹介します。
伊能図によって初めて明らかにされた日本の姿は、それまでの時代にどのように描かれていたかを紹介します。

さらに、地図の持つ文化を紹介します。地図は概念や情報を平面に具体的に描き出すものです。
そこには、世界の人々の宇宙観や世界観が反映されています。

最後に、当時の佐原を描いた地図にはどのようなものがあるかを紹介します。
江戸時代から現在までに描かれてきた佐原の地図が展示されています。

また中央には、日本列島の組木絵のパズルを配置しました。お子さんと一緒に、日本地図の完成に挑戦してみてください。

 


〈映像・人間忠敬〉
 忠敬は50歳を越えてから夢を実現した人です。
第二の人生を生きる方々に、彼の生き方を映像で紹介します。
高齢化社会を迎えた今日、忠敬の努力と情熱は見る人々に感動と激励を与えてくれることでしよう。


〈情報検索ゲーム〉
 佐原と忠敬に関する情報検索コーナーを設置しました。展示では語り切れない情報を知ることができます。
また、佐原と忠敬についてのクイズや、忠敬にまつわるゲームもコンピューターに入っています。
家族みんなで挑戦してみてください。


〈ハイビジョン映像〉
 忠敬の地図や科学的業績について、ハイビジョン映像で紹介するコーナーをエントランスホールに設置しました。
ここでは、忠敬の偉大さをあらためて知ることができます。

なお このホームページ上の画像を二次的に使用する場合には、作成者である小早志正美及び、管理者である伊能忠敬記念館まで連絡をして下さい。

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