佐原ばやしの 唄の詞

 関東一派手なお祭りとして知られる、佐原の祭 には、たくさんの見せ場があります。
「佐原っ子」一番の自慢が、各町内の 幣台(やだい) です。
迫力有る大人形と精緻を極める彫り物で飾り付けた絢爛豪華な幣台(やだい)が、歴史ある町並み を練り歩く様は、見事の一言に尽きます。

もう一つの自慢が、「千葉県無形民俗文化財」にも指定されている 佐原ばやし です。
古くから地元にあった里神楽がもとになり、江戸歌舞伎の下座囃子等を取り入れて、現在のような祭り囃子になったと言われています。
この、「佐原ばやし」にあわせて、幣台(やだい)の曳き廻しの間に繰り広げられる、若連の華やかな踊りも見どころのひとつです。

「佐原ばやし」は、地元の俗曲・民謡や、その時代の流行り歌(はやりうた)なども積極的に取り入れてきました。
ここにご紹介する唄の詞は、地元の唄や、当時の流行り歌などを佐原ばやしにアレンジしたものです。
なお、このページは“金時さん”・“ひいろさん”をはじめ、ゲストブック に書き込んで下さいました多くの方々のお陰で完成しました。
この場を借りしまして、深くお礼申し上げます。有り難うございました。  小早志 正美


     佐原小唄

1. 佐原港の川霧晴れて ヤッコラサ〜
鳴くよ葦切り(ヨシキリ) 葦(アシ)の中 ホイ
鳴くよ葦切り(ヨシキリ) 葦(アシ)の中
佐原よいとこ 水の郷(さと)
サッサ佐原は ヨイヤサ〜

2. 水に浮かんだ十六島の ヤッコラサ〜
島にゃ黄金の 波がうつ ホイ
島にゃ黄金の 波がうつ
佐原よいとこ 水の郷
サッサ佐原は ヨイヤサ〜

3. 利根は川風筑波はかすむ ヤッコラサ〜
真菰がくれの 真帆片帆 ホイ
真菰がくれの 真帆片帆
佐原よいとこ 水の郷
サッサ佐原は ヨイヤサ〜

4. 香取鹿島を結んだ橋は ヤッコラサ〜
利根の大橋 神の橋 ホイ
利根の大橋 神の橋
佐原よいとこ 水の郷
サッサ佐原は ヨイヤサ〜

5. 美人桜はほんのり霞み ヤッコラサ〜 
浮いておぼろの 大鳥居 ホイ
浮いておぼろの 大鳥居
佐原よいとこ 水の郷
サッサ佐原は ヨイヤサ〜

6. 思い出しましょポプラの駅を ヤッコラサ〜
水郷娘の あの瞳 ホイ
水郷娘の あの瞳
佐原よいとこ 水の郷
サッサ佐原は ヨイヤサ〜

7. 島は十六娘は十九 ヤッコラサ〜
菅の小笠が ちょいとまねく ホイ
菅の小笠が ちょいとまねく
佐原よいとこ 水の郷
サッサ佐原は ヨイヤサ〜

8. 八坂七月諏訪さん九月 ヤッコラサ〜
派手なお祭り 関東一 ホイ
派手なお祭り 関東一
佐原よいとこ 水の郷
サッサ佐原は ヨイヤサ〜

9. 月はよい月水郷の月は ヤッコラサ〜
よそにない月 日本一 ホイ
よそにない月 日本一
佐原よいとこ 水の郷
サッサ佐原は ヨイヤサ〜

10. さっさ踊れよ円くなって踊れ〜 ヤッコラサ〜
佐原小唄の 足拍子 ホイ
佐原小唄の 足拍子
佐原よいとこ 水の郷
サッサ佐原は ヨイヤサ〜


     佐原音頭

1. 利根の川瀬に 追いせをはらむ舟にゃ
米積む真帆片帆
( よいやさ- よいやさ-
ちゃんちゃこんこ ちゃんちゃこんこ ちゃんこんこん )

2. 色も香取の 神路も春はほんのり
美人の桜色
( くりかえし )

3. 譲る神垣 氏子の栄え諏訪の
杜は花盛り
( くりかえし )

4. 七里八坂の 夜道を越えて末を
遂げたい神だのみ
( くりかえし )

5. 音に聞く 祭りも花美に
佐原ばやしの音もさえる
( くりかえし )

6. 実る豊年 佐原の宝福を
計りの米の桝
( くりかえし )

7. 樽にたたえし 黄金の水は富と
宝を造り酒
( くりかえし )


     ラッパ節

1. 今鳴るラッパは八時半
それに遅れりゃ重営倉
今度の休みは無いじゃなし
はなせ軍刀にさびがつく

2. 倒れし兵士を抱き起こし
耳に口あて名をよべば
ニッコリ笑って目に涙
バンザイとなうも口の内

3. 海軍大将胸先で
ピカピカ光るはなんでしょね
金鵄勲章か違います
かわいい兵士のシャレコウベ

4. 寝ている芸者をゆり起こし
裾をまくってながむれば
三国一の富士の山
甲斐て見るより駿河よい

5. 石の地蔵さんに団子あげて
どうかよい子ができるよに
そこで地蔵さんのいうことにゃ
団子じゃいけない餅あげろ

6. もしも○○○が負けたなら
電信柱に花が咲く
焼いた魚が泳ぎだす
絵に描いた坊主がお経読む

7. あなたの心は桜花
私の心はふじの花
からみつくほど思えども
散りゆく花ならぜひもない

8. 二つ体があるならば
一つはあなたのそばにおき
あとの一つで働いて
貯めたお金はみんなやる

9. まわる時計のはりでさえ
きっと一度は逢うものを
あなたと私はなぜ逢えぬ
同じ佐原に住みながら

10. 泣いて暮らすも五十年
笑って暮らすも五十年
泣いて暮らすも笑うのも
心一つの置き所

11. 親亀の背中に子亀を乗せて
そのまた背中に孫亀乗せて
そのまた背中にひまごを乗せて
親亀こけたら皆こけた

12. 降り来る雪の絶えまなく
障子あければ銀世界
さぞやあの地は寒かろと
思えば涙が先に立つ

13. うちの頭はいい男
まばたきするよないい男
だけど女にゃもてやせぬ
そこが一つの泣き所


     若いお巡りさん

1. もしもし ベンチでささやく お二人さん
早くお帰り 日が暮れる
野暮な説教 するんじゃないが
ここらは近頃 物騒だ
話の続きは 明日にしたら
そろそろ広場の 灯も消える

2. もしもし 家出をしたのか 娘さん
君の気持ちも 分かるけど
くにじゃ父さん 母さん達が
死ぬほど心配してるだろう
送ってあげよう 任せておきな
今なら間に合う 終列車

3. もしもし 景気はどうだい 納豆やさん
今朝も一本 もらおうか
君の元気な 呼び声きけば
夜勤の疲れも 忘れるぜ
卒業するまで へばらずやんな
まもなく夜明けだ 日も昇る

4. もしもし タバコをください お嬢さん
今日は非番の 日曜日
職務尋問 警棒忘れ
あなたとゆっくり 遊びたい
鎌倉あたりは どうでしょうか
浜辺のロマンス パトロ−ル




     ラバウル小唄

1. さぁ〜らば ラバウルよ〜 また来るまでは〜
しぃばし別れの 涙がにじむ〜
恋しなつかし あの島見れば
椰子の葉陰に 十字星

2. 船は出てゆく 港の沖へ
いとしあの娘の うちふるハンカチ
声をしのんで 心で泣いて
両手会わせて ありがとう

3. 波のしぶきで 眠れぬ夜は
語りあかそよ デッキの上で
星がまたたく あの空見れば
くわえ煙草も ほろにがい

4. 赤い夕日が 波間に沈む
果てはいずこぞ 水平線よ
今日もはるばる 南洋航路
男船乗り カモメ鳥

5. さすが男と あの娘は言うた
燃ゆる思いは 操縦桿にまかせ
明日の命は あの雲まかせ
散って九段の 若ざくら

番外. 幣台(やだい)は帰り行く 浅間杜へ
佐原囃子の 音色を残し
3日儚き 別れも間近か
八坂七月 また会おう




     船頭小唄

1. 俺は川原の 枯れすすき
同じおまえも 枯れすすき
どぉぉせ二人は この世では
花の咲かない 枯れすすき

2. 死ぬも生きるも ねえおまえ
水の流れに 何変わろ
俺もおまえも 利根川の
船の船頭で 暮らそぉぉよ

3. 枯れたまこもに 照らしてる
潮来出島の お月さん
わたしゃこれから 利根川の
船の船頭で 暮らすのよ

4. なぜに冷たく 吹く風か
枯れたすすきの 二人ゆえ
熱い涙の 出たときは
汲んでおくれよ お月さん

5. どうせ二人は この世では
花の咲かない 枯れすすき
水を枕に 利根川の
船の船頭で 暮らそうよ



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