幣台(やだい)について

 幣台(やだい)とは、祭礼の際に引く山・鉾・人形・鳥獣・草木などを飾った屋台のことで、神がおり立つ、神の依り来る目標(依代)とされています。(「日本民族学の視点」より)

幣台(やだい)は、欅を主な材料として作られた台車に、高欄を配して豪華な彫刻をはめ込み、四方を新しい藁で作ったしめ縄か、金糸銀糸の天幕が張りめぐらされています。これは、幣台(やだい)が宮座を現しているためです。

 古来佐原は醸造業(酒・醤油)が盛んで、全盛時代には醸造家の数も30軒を越え、これらの家々には杜氏をはじめ、職人や若い衆が大勢従事していました。

年に一度の村祭りには、この職人たちに揃いの 印ばんてん を着せ、荷車に初穂を満載し御幣を立てて、威勢よく神への供物を運んだそうです。
この時使われた御幣(ごへい)を乗せた台なので、幣台(へいだい)と呼んだとも、言われています。

この幣台(やだい)も年毎に趣向を凝らし、美を競い他町に負けぬように彫刻や天幕・人形等を工夫し自慢の幣台(やだい)を作り、年々歳々その姿は豪華になっていきました。

職人たちは、他国の者も多く東北地方から新潟方面にわたっていました。また祇園祭の本場である関西方面からの行商人も早くから佐原に来ており、各地の祭り行事が溶け込み佐原独特の祭りに発展しました。

 幣台(やだい)の飾り物はさまざまな趣向を凝らして、年々目先をかえていくのが本意で、工夫を重ねる楽しみがありますが、現在では各町内によって飾り物はだいたい一定しています。

大人形を初めて作ったのは、関戸町(現在の西関戸と東関戸)で、享保18年に伊能権之丞より夏夜着を借用して猿田彦命に扮して飾ったところ大当たりで、以来猿田彦命を飾ることになったと伝えられています。


幣台(やだい)の構造 大天井に御幣が載っている


町内によって、構造は微妙に違います。


 



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