地図のまち・佐原 '99  (社)佐原青年会議所の企画書より引用

平成11年6月12日(土) 〜 13日(日)

 〜商都・佐原の古建築巡り〜 


 私たちのまち「佐原」は江戸・明治時代の伝統的な商業都市の景観を残すまちとして、関東地方では唯一、重要伝統的建造物群保存地区 に指定されております。
また、江戸時代より続く 山車祭佐原囃子 などの伝統文化を大切に受け継ぎ現代に伝えていることでも有名です。

さらに、日本ではじめて 正確な地図 を作成した 伊能忠敬 等多くの文化人を輩出するとともに、「お江戸みたけりゃ 佐原へござれ 佐原本町江戸まさり」と里謡に歌われるほどの経済的な繁栄を果たしたまちでもあります。
その上、旧官弊大社である 香取神宮 や、川崎大師・西新井大師と並んで関東厄除三大師の一つに数えられる 観福寺 など由緒有る文化遺産も数多く残るまちです。


   
重厚な蔵造りと川の風情が相まった
佐原ならではの景観。
この先に 伊能忠敬 旧宅 があります。
    香取神宮 二の鳥居


 しかし、近年は「空港」を核にしてまちづくりを行った成田市や、「臨海工業」を核にしてまちづくりを行った鹿嶋市などの発達により、北総の中核商業都市としての地位を急速に失いつつあります。
このままでは町の衰退がはじまるとともに、すばらしい伝統文化を持った私たちのまちがなくなってしまうのではないかとの危機感にさえ包まれています。

私たちは今後、何を核にまちづくりを進めるべきか試行錯誤を繰り返した結果、「文化」を核にしたまちづくりを進め、まちの再生を図るべきとの結論に至りました。
「重要伝統的建造物群保存地区ならびに景観形成地区」という市民にとって特別な場所で事業を開催することを通じて、「佐原の文化」とは何かという事を、市民やLOMメンバーを初め一人でも多くの方々に感じて頂きたいと思うとともに、郷土である佐原を好きになり、まちづくりのきっかけになることを願います。





地図のまち・佐原 '99

開催概要
開催日時平成11年6月12(土)〜13(日)
  午前10時午後〜4時
開催場所重要伝統的建造物群保存地区ならびに景観形成地区
メイン会場与倉屋大土蔵
サテライト会場正上土蔵・中宿清宮邸土蔵・馬場酒造
スタンプラリー会場メイン会場・サテライト会場・福新呉服店・三菱館


   
メイン会場 与倉屋大土蔵
明治初年建築
    サテライト会場 正上
天保3年建築
   
サテライト会場 清宮邸     サテライト会場 馬場酒造





開催内容

メイン会場
常設展示物 下新町地区の幣台(やだい)彫刻(25枚)・歌川国芳の浮世絵展示
佐原で行われたロケ風景の写真展ならびに「ロケのまち・佐原」構想の発表
特設ステージ 6月12日(土)
 開会式 『地図のまち・佐原 '99』
 映画上映『昭和初期の佐原の映像・ロケのまち・佐原』

6月13日(日)
 佐原市長・佐原青年会議所理事長 挨拶
 基調講演 講演者 桐谷逸夫氏・桐谷エリザベス氏
 小学生による絵画作文展表彰式
 廣川邦夫氏をはじめとする講演者による合同講演会
 佐原囃子連中・分内野芸座連による佐原囃子演奏
 昭和初期の佐原祭の映像上映
 『佐原祭と佐原囃子・みんなで踊ろう佐原囃子』
サテライト会場
正上土蔵未定
清宮邸土蔵「昭和初期の佐原の町並み写真展」
馬場酒造酒造工場見学「江戸時代 佐原を支えた核産業」


タイムスケジュール

6月12日(土)
  AM 10:30 AM 11:00 PM 12:00 PM 1:00 PM 2:00 PM 3:00 PM 4:00
与倉屋 開会式       映画上映   閉館
正上 開館           閉館
馬場酒造 開館 工場見学     工場見学   閉館
清宮邸 開館 昭和初期の佐原の町並み写真展 閉館
福新 開館 福新呉服店による展示 閉館
三菱館 開館 小学生による絵画・作文展 閉館
6月13日(日)
  AM 10:30 AM 11:00 PM 12:00 PM 1:00 PM 2:00 PM 3:00 PM 4:00
与倉屋 挨拶 基調講演 表彰式 佐原囃子・講演 閉館
正上 開館           閉館
馬場酒造 開館   工場見学   工場見学   閉館
清宮邸 開館 昭和初期の佐原の町並み写真展 閉館
福新 開館 福新呉服店による展示 閉館
三菱館 開館 小学生による絵画・作文展 閉館





講演者プロフィール
桐谷 逸夫(きりたに・いつお)

画家。1943年、東京生まれ。
1968年、早稲田大学商学部卒業。
1974年、同文学部美術専修卒業。
ミュンヘン美術大学、ボストン美術館美術学校等に学ぶ。
世界の都市の群衆とならんで東京の下町の絵を描きつづけている。
著書、「東京いま・むかし」(1996年、日貿出版社、共著)1993年〜96年「新東京カタログ」(産経新聞)連載
「消えゆく日本」(1997年、丸善ブックス、共著)



桐谷 エリザベス(きりたに・えりざべす)

アメリカ、マサチューセッツ州、ボストン出身、ホイートン大学文学部卒業。
1975年〜79年、ハーバート大学医学部で心臓と肺の研究を行うと同時に、同付属病院で血液専門家(パーフュージョニスト)として働く。
1979年来日。英文毎日コラムニスト、NHKラジオ・ジャパンアナウンサー等を経て、現在NHK総合テレビアナウンサー。
英文読売コラムニスト。
著書「あのねこ このねこ」(1993年、福音館書店、イラスト担当)
VANISHING JAPAN(1995年、チャールズ・イー・タトル出版)
「消えゆく日本」(1997年、丸善ブックス、共著)





〜 商都・佐原の古建築巡り 〜
スタンプラリー


通常では立ち入ることのできない個人所有の蔵や、佐原の典型的な町屋のたたずまいを残した建物、明治初期の洋館、江戸時代の醸造倉の残る酒造などを回遊して「再発見」・「感動」する機会にしたいと思います。

開催日 平成11年6月12日(土)〜平成11年6月13日(日)
開催場所 午前11時〜午後4時まで
景品引渡所 与倉屋大土蔵
景品 佐原百選(予定)・キャロットジュース(予定)




国土地理院見学バスツアー


毎年「測量の日」(6月3日)にあわせて一般公開される「国土地理院」と「地図と測量の科学館」の見学を行います。
郷土の偉人 伊能忠敬の業績を偲ぶと共に、現在の測量技術を見学します。

開催日平成11年6月6日(日)
場 所筑波学園都市・「建設省国土地理院・地図と測量の科学館」
対象者佐原市在住の方(先着40名様、但し小学3年生以上とします)
参加費用無料
申込方法往復はがきに住所・氏名・参加希望人数・年齢・電話番号をご記入の上、下記の宛先までお申し込み下さい
(定員になり次第締め切ります)
最終締切日5月28日(金)必着
宛 先〒 287−0003
佐原市佐原イ2127
佐原市総務部自治振興課
TEL : 0478−54−1111

  日程・集合場所

  佐原市役所  午前8:30集合
   ↓
  筑波学園都市
   ↓
  国土地理院・地図と測量の科学館  見学及び昼食
   ↓
  佐原市役所  午後15:00解散


  各人用意するもの:お弁当・筆記用具




小学生による絵画・作文展


小学生(5・6年生)を対象に毎年行われている絵画作文展ですが、本年は開催趣旨に沿い下記のように題材を変更させて頂きました。

募集時期5月上旬
展示時期6月5日(土)〜6月13日(日)
展示場所中央公民館
三菱館 (優秀作品のみ6月12日(土)〜6月13日(日))
題  材絵・画作文とも「わたしの好きな佐原」
自分が好きな佐原の風景・人物・建物・お祭り・行事など身近なものを題材に表現して下さい。
表  彰表彰式は6月のイベントにおいて行います
  建設省 国土地理院賞1点
  建設省 利根下流事務所長賞  1点
  佐原市長賞1点
  佳作数点





下新町区の幣台(やだい)彫刻展示


 佐原の幣台(やだい)を豪華に飾りつけている彫刻は、江戸後期より明治・大正・昭和にかけて名工と呼ばれた江戸・東京の彫刻師によって製作されたものです。
古い時代の彫刻の題材は、龍・獅子などが圧倒的に多いのですが、江戸後期から明治・大正・昭和にかけては日本神話や源平物語などの、鎌倉時代や南北朝時代の文学から題材を取ったものが多くなり、特に人物を中心としたものが製作されるようになりました。

 今回の企画にご協力を頂く 下新町区 の彫刻は、文久2年(1862年)石川三之助によって、中国の「水滸伝」を題材に製作されものです。高名な浮世絵師である歌川国芳の『通俗水滸伝豪傑百八人之壱人』をモデルとして製作された、重厚かつ力感あふれる作品です。


   
歌川国芳浮世絵から     下新町区の幣台(やだい)彫刻
彫刻は左右の足の形が、浮世絵とは逆になっています。


 佐原の幣台(やだい)彫刻の中でも、下新町区のように参考にした下絵がわかる彫り物は歴史的に見ても貴重な存在です。
さらに、下新町区の幣台(やだい)は多数の彫刻と玉簾を一つの物語で統一しており、その調和は見事なものです。
このような素晴らしいものを、下新町区のご協力でお借りできることになりました。
是非とも皆さんに、その歴史の重みに感動して頂きたいと思います。

また、これを期に関係各町内ならびに関係諸団体等と協力をして、佐原の幣台(やだい)彫刻の「保存・管理」、そしてさらなる「発見」をするよう努めたいと思います。




古い街並み写真展


 歴史的・伝統的に形成されてきた佐原の街並みは、重要伝統的建造物群保存地区ならびに景観形成地区として、訪れる人々の心に、古き良き時代の商業都市の姿を映し出しています。
ノスタルジックな街並は、小さいころの思い出と言うよりは原風景・原体験として、いつまでも大切に保存したいものです。

しかし、人々の心を打つのは単に古い街並みや美しい景観だけなのでしょうか。
さらに言えば、街並みや景観の保全だけが、まちづくりなのでしょうか。
わたしたちには、まちづくりに不可欠な、何か別の大きな求心力を持つもの(意識的に『核』と表現します)があるように思えてなりません。

   
中村屋商店
安政2年建築
    中村屋乾物店(文庫蔵)
明治18年建築



佐原に現存する街並み・景観は、まちづくりの『核』となるに相応しいものであります。
その奥には街並みを作り上げてきた人々や、日常ここで生活する人々の、一つ一つの営為の積み重ねが隠れています。
何気ない日々の生活の中から生まれた、喜びや苦悩が繰り返されて形成されてきたものの集大成が、現在の街並み・景観の姿であると考えられます。
乱暴な言い方かもしれませんが、まちづくりは人々の営為の積み重ねであり、その『文化』こそが核になるべきものです。
町並み・景観はその一つの形であると言えます。

そこで、かつての街並み、特に当時の『生きた街並み』をクローズアップした写真展を企画しました。
ノスタルジーを満喫して頂くとともに、現在の街を作り上げてきた先人たちの姿に、佐原の『文化』を垣間見て頂きたいと思います。




ロケのまち・佐原


 私たちの佐原は首都圏の中で自然と歴史が豊かに残る貴重なまちです。
この佐原特有の資産は、水郷観光歴史的町並み観光 を発展させてきました。
自然資産として「水生植物園」や「十二橋舟めぐり」・「釣りスポット」などがあり、歴史的資産として国指定の「伝統的建造物群保存地区」に代表される古い町並み、「伊能忠敬記念館」・「佐原の大祭」・「香取神宮」などがあります。

   
伊能忠敬記念館     映画「うなぎ」に登場した
観福寺の本堂 講堂



 この時代セットそのままのような歴史的な文化財を背景に、数多くの映画やテレビの撮影が古くから行われてきました。
最近では映画カンヌ映画祭グランプリを受賞した「うなぎ」を始め、テレビドラマ「蔵」・「春燈」・「櫂」(5月放映予定)などのスタッフの方々が撮影に訪れています。
これからますます、貴重な自然と歴史的町並みを求めて佐原にロケにくることが予想されます。

 しかしながら、そうした財産ともいえるフィルム等の資料も残されないばかりか、記録された物でも散逸してしまっていることが現状です。
そこで新たに「ロケのまち佐原」の視点から私たちのまちをとらえ直し、過去に撮影された映画のフィルムや記録などを掘り起こし、保存することは貴重な財産を後世に残す大切な作業であると考えれらます。
昔の佐原の町並みをフィルムの上でよみがえらせ、貴重な資料の散逸を防ぎ、新たなる資料を積み重ねていくことは、是非とも早急に着手しなくてはならない大切な作業です。

 この構想が実現すれば世代を越えての新たなる観光資源となり、いままで点在していた観光スポットをつなぐ道や橋にまで付加価値がつくことになります。
数多くの観光客の方々に映画のワンシーンと同じ場所を歩いていただき、映画のような旅をしていただけるような、夢のあるまちづくりが出来ると思います。
多くの市民に「ロケのまち」としての認識を持って頂き、市民の誇りとして財産を共有していきたいと考えています。


この企画についてのお問い合せは、社団法人佐原青年会議所までお願いします。
事務局 : 千葉県佐原市佐原イ525(佐原商工会議所内)
Tel : 0478-54-2244   Fax : 0478-55-1501
E-mail : staro@beige.ocn.ne.jp

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